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Cosset-Bags


by cosset-cosset
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強制サブスク。

東京で暮らしてた時、びっくりしたのは意外にも東京生まれ東京育ちの人が多いな、と。
なんとなくよそ者の集合体みたいなイメージがある東京だけど、3代江戸っ子かどうかは別として、東京生まれ東京育ちが多くてびっくりした。
京都に至っては、なんとなく京都生まれ京都育ちが多そうだけど、よくよくいろんな人の話を聞くと、よそから来た人が多いな、と言うのが東京とは逆にびっくりしたこと。
京都生まれと言っても、丹後の方から来た人も多く、今日は、その丹後の話。

うちの一本西の通りに住んでるYさん(80歳手前くらい)は、”うちの田舎の丹後ではな、お祭りの時にお寿司を作るねん”とよく丹後の話を聞かせてくれます。
この辺に嫁入りしてからも、お祭り(その肝心の祭りが何祭りなのかは不明ですが)や正月、人が集まるタイミングで家庭ごとに大きな大きなバットに盛大に作って、取り分けて食べたり持って帰ったりしたそうな。
そう言う話を聞いてるうちに”ワタシも Yさんの作るお寿司食べてみたいです”とポロリ。
でも、作るのがとても大変らしく、Yさんは月に一度”丹後のお店”(お店の場所は謎)へ買いに行くとな。
強制サブスク。_e0149587_10434532.jpg
話の流れ上、月に一度、丹後のばらずしが食卓に登るようになったこの数ヶ月。
丹後の人がYさんに予定を伝え、Yさんがワタシにお寿司の日を知らせてくれます。
午前中にYさんが丹後のお店に買いに行ってくれるのを、午後、ワタシがYさんの家にとりに行きます。
一つ、600円。
高いのか安いのかわからないけど、これが”丹後のふるさとの味や”と言われるので、そう言うもんか、と思って食べています。
美味しいかおいしくないか?と聞かれると、もちろん美味しい。
ちらし寿司というと、お刺身が載ってるイメージですが、丹後のお寿司は鯖そぼろです。

Yさんにばら寿司制作の何が大変かを聞くと、とにかく”鯖のそぼろ”だと言います。
鯖缶をアマジョッパく煮詰めてそぼろにしたのを敷き詰めて。
他の材料を揃えて刻むのも難儀だと言います。
作るより、月に一度”丹後のお店”へワタシを含むご近所さん分10数軒分をまとめ買いする方が簡単やし買いに行って丹後の人とおしゃべりするのが楽しみだと言うので、なぜか我が家にも月に一度丹後のお寿司。
強制サブスクです。
強制サブスク。_e0149587_10435053.jpg
一人で一つ食べるのはしんどいくらいのボリュームです。
ワタシは、この、真ん中の紅生姜のしょっぱみが嬉しい。
と、Yさんに言うと”昔作った紅生姜がたくさんあるさかい”と翌日にポストインされていた大量の紅生姜。


いつかYさんの作る丹後のお寿司が食べてみたいと、この丹後のばらずしを受け取る時に伝えますが、いつも膝が痛いとかしんどいとか言ってはぐらかされるけど、まあ、ワタシの小さな夢の一つです。

あ、もう一つ。
丹後の郷土料理のばらずしもハレの日のふるさとの味だそうですが、京都の鯖寿司もまた、この辺の人たちのハレの日の食べ物。
ですが、最近はみんな鯖寿司作らないようで。
各家庭、みんなそれぞれの鯖の締めかたや酢飯の味があると思う。
いつか皆さんの鯖寿司を食べてみたいなと10年くらい思ってるけど、皆さんどんどん歳をとって、鯖寿司より自分の健康を優先されるから、きっともう、各家庭の鯖寿司を食べる機会はなさそうです。

Yさんのばら寿司は、いつかいつかと期待を込めて、毎月600円払ってます。

by cosset-cosset | 2023-09-08 10:59