徒然晩夏。
2021年 08月 23日
梅雨のように雨が降る日々。
そして佳境を迎えた10-8の夏休み。
よって、全く自転車に乗っていないし山にも出かけていない日々。
最近、ずっと不思議に思っていることがあるので、その辺を徒然と書こうかと。
ワタシの相棒のミシン、結婚歴より長く、前の持ち主がバンド活動のための”ベースの音響機材代が欲しい”と言ってその値段で譲ってくれたもの。
彼は”ミシンはいつでも買えるけれど、今その機材から出る音を奏でたいんだ!”と言っていたのが懐かしく思い出されます。
その彼は今何をしているかわからないけれど、彼はこのミシンを手に入れて1年も立たずにワタシに譲ってくれたのですが、元々が中古のミシン。
古さだけはピカイチです。
でも、ピカピカに磨いて譲ってくれたこのミシンにはワタシの思い出がたっぷり詰まっています。
昔は忘れちゃいけないことをマスキングテープに書いてミシンに貼ってたのですが、
マジックテープのオス面なのか、カチッとのプラスティックバックルのオス側なのか、そもそも何の”左”なのかずっとずっと不明です。
その上に4つのメモの名残もあるのですが、それは風化して消え去りました。
いつの何のメモなのか、わからない。
剥き出しの金属のカバーから右膝上を守るために嵌めたのですが、使いすぎて穴が空いてる。。。。
この手で、このミシンで今まで一体幾つのバッグを世に送り出してきたんだろう?と思います。
全てがお客さんのお気に入りナンバーワンになれた訳じゃないとは思うけれど、修理やリピーターさんからの連絡を受けると、満更悪い仕事をしている訳じゃないよな、と思ったりもします。
生地を裁ち、印をつけ、必要なパーツを揃えミシンに向かい、一つずつバッグを作ること、それがワタシの仕事です。
日々作っていると当たり前になってしまう仕事ですが、作っているバッグはお客さんが意を決して決めてくれたバッグであり、お客さんが大切なお金を払ってくれて作るバッグです。
前の仕事の時、”自分にとって名もなき一つの仕事でも相手にとっては大切な一つなんだ”と気付いてから、匿名性のある仕事だけはしないように、誰がいつ作ったものか明確にしておくことを心に誓いました。
お金をいただいている以上、責任を持ちたいと思っているのですが、如何せん、だんだんと歳をとってきました。
忘れないように、と思いつつも、コゼバッグを始めた時に”初めまして”をしたっきりのお客さんは13~4年になりますので、前回作ったときのことなどすっかりすっかり忘れていたりします。
でも、当時のオーダー用紙を見返して、若かりし頃(お互いにね)のことを強制的に思い出させられますが、最近の忘れやすさはちょっと自分でも悲しかったりします。
このミシンに貼ったメモもだんだん黄ばんで剥がれてきてますし、多分もうあと数年すればこんなメモがあったことすらも忘れちゃうんだろうな、と。
忘れるからこそいいことも多々ありますけどね。
by cosset-cosset
| 2021-08-23 05:44