袖振り合うも。
2021年 05月 17日
多生の縁、を感じた先週の話。
一緒に”京都一周”じゃない”トレイル”を歩きながら、”この山はもうあかんな、こんなに崩れてもうたら、もうあかん”と山道の対面の山の写真を撮り、自転車を担いで降りるワタシに”一人やったらバババッて乗って降りるんやろ?”とか、自分が持ってる山の話とか、こんどパワーポイントを使ってシニア向けの山の講習会をする話とか、ぺちゃくちゃと。
雨予報が続くしばらく先の天気予報。
隙間でちょっと行っちゃおうか、といつもの山へ。
平日午前のないだ池の水面を眺めていると、藤の写真を撮るおじいに話しかけられました。
おじい、植物に詳しそうで今旬の花を教えてくれながら、アスファルトの道を歩くおじいと同じ方向へ行くワタシはゆっくりブレーキをかけながら自転車にまたがりながらペチャクチャおしゃべりしました。
止まらないおじいのお喋り。
分かれるタイミングが全く見当たらない。。。
おじい(と言ってはいかんのでしょうが、、、)はやたらと山に詳しく”どっからきたのや?””ここからどうやって今から帰る?”と。
全く行く方向が同じで、結局山を下り切るまで、おじいとお喋りしてました。
おじい、聞くところによると京都が誇る有名な”京都一周トレイル”の保全委員会の委員長だそうで。
京都一周トレイルは、台風が来て山がえらいことになってもリカバリー能力が異様に高く、そして常に整備され、危ない箇所は少ない。地図も完璧。時々見かけるトレイルを補修整備する人たちには普段から頭が下がる思いだったので、まさかおじいがそのリーダーとは思わず、話をフムフムと聞き入りました。
おじいの話は京都一周トレイルの整備が平安遷都1200年の記念事業として始まったこと(平安遷都1200年!って遠い記憶にあるような無いような)から始まって、山の道はぜーんぶ知ってるし(基本京都一周トレイルは私有地が多いようです)、持ち主もぜーんぶ知ってるし、なんならワタシがちょっと京都一周トレイルを自転車で走ってしまってること(一応、京都一周トレイルは自転車禁止、、、)も承知の上、ということで、山のこと、利権のこと、地主との交渉術やお金のこと、役所への話の持って行き方、本当に色々と教えてくれました。
自転車と歩く人がなかなかセットにはならない山道でお互いそんなに遠慮するわけじゃなく気持ちよく時間が過ごせて、なかなかいい体験でした。
ワタシ、自転車担ぎすぎて肩が痛くなりました。
でも、一時のランデブー。それも知らないおじいと。
上から下へ流れるように、知識のお裾分けをいただいた貴重な時間、といえばそうかもしれません。
ワタシ、山で知らない人と身分を明かさずに話すのは大好きです。
変な色眼鏡がないし、山で出会った人は今のところ邪推も邪な心もなく純粋に”山の話”が中心で、左右か前後で歩いてるから、結局顔をほとんど見ないまま終わったけれど、なかなか、ああいい時間だったな、とトレイルが終わっていよいよおじいと別れる段になって思いました。
袖振り合うも多生の縁。
おじいのおかげで京都一周トレイルを一周してみたくなりました。
なかなか殺伐とした社会ですが、時々人と出会うってのも、楽しいですよね。
by cosset-cosset
| 2021-05-17 05:38