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懐かしむ。

どうしてもアトリエの押し入れを一段開けなくてはならないことになり、押し入れ上段を占めていた、昔懐かしいメッセンジャーバッグを取り出しました。
もちろん、コゼバッグメイドではありません。
そして、思い出の一つとしてインスタに残しておこうと写真を撮ってキャプションを書いていたら、とてもそんな短文でおさまらなさそうになったので、コゼログに残すことにしました。
懐かしむ。_e0149587_09551918.jpeg
コゼバッグの原点でもある、大きなメッセンジャーバッグ。

2004年KyotoLOCOの優勝賞品です。


当時はメッセンジャーバッグといえばアメリカのフィラデルフィアのR.E.Loadがほとんどで、それもあんまり日本で手に入らなかったから、このバッグをもらえた時はすごく嬉しくて、それからずっとメッセンジャー辞めるまで背負ってました。

大きいし、フラップの刺繍が主張しすぎてて、若干を超えて恥ずかしさ満載でしたが、それでもまあ、彼らのイメージする”日本”がこういう風なんだと割り切り、それ以上にこの大きさのメッセンジャーバッグがもらえたことが嬉しくて、ずっと背負って使ってました。


押し入れから引きずり出して、ああ、こういう感じやったな、と思い出に浸る一方、再びしばらく出すことも使うこともないだろうと写真を撮りました。


恐ろしく重たく、恐ろしくでかいメッセンジャーバッグ。

どのくらい大きいかというと、背負ってうちの玄関をまっすぐは出られないくらい。

引き戸に引っかかります。

ワタシの身幅を優に超える幅です。


このくらい補強を重ねて分厚いコーデュラとターポリンを使えば、かなり丈夫なことはこのバッグで知りました。

そして、もう一つ。

竜のやつから数年後。もう一回り大きくなってワタシの悪事のためにフィラデルフィアからやってきたR.E.Loadのメッセンジャーバッグ。

めちゃくちゃでかいです。

空っぽでも、相当重たい。

ショルダーベルトが鎖骨に当たらないように、肩のところにクッションつけてくれてるし、バッグの底には筒モノやジャケットをくくれるように三本ループがあるし。


。。。でも、ワタシ、もうこんな重たいバッグ背負えないわ。

空っぽでこんなに重たいなんて、かなりの衝撃です。

かつての自分はこんなに重たいバッグにさらにデリバリーの荷物と、自分の1日分のなんやらを詰めて自転車でワンパクしてたなんて、本当に信じられません。



それに比べると、コゼバッグのバッグの重さは”レジ袋か!”と突っ込みたくなるくらい、軽いです。

でも、コゼバッグのバッグも十分に丈夫ですよ。

too muchを省いて普段使いできるよう、してあります。

R.E.Loadは、ワタシの原点です。

BackJackも原点の一つです。(BackJackもPeterさんからもらったけれど、もう手元にはありません)

フライターグもフライターグ兄弟からレースの賞品としてもらったことあるけれど、それももう手元にはありません。

だから、R.E.Loadは手放さずに取っておこう、と思って押し入れに入れてありました。


いかにも舶来モノっぽいデザインと色使いで、パッと目立つ感じ。

外国のメッセンジャーの荒ぶれた扱いにも耐えうるように、補強を重ねたが故の重たさと、数々のメッセンジャーから”もっとたくさん荷物運べるようにバッグを大きくしろ!”というリクエストに答えて、どんどんとバッグが大きくなっていったというストーリーが分かり易すぎるほど分かりやすいプロダクトの数々。



使わなきゃ、そして実際に使ってデリバリーしなきゃわからない話ばかりです。

でも、メッセンジャーにはそれでいい話でも、メッセンジャーじゃない自転車乗りには通用しないからコゼバッグを始めたのが、コゼバッグの始まりの話です。

だから、コゼバッグのプロダクトは、軽いしデザインもすっきりしてるしごちゃついてないものが多いのです。

必要なら、個人に応じて足せばいい。

でも最初っから付随するのはどうかと思って、今も続いています。

(と書きながら、R.E.Loadもアトリエに行けば同じシステムで作ってくれるんじゃないかな?と思います。昔のコゼログにはフィラデルフィアのR.E.Loadへ訪れた話も残ってるはずです)


アトリエからこの二つのバッグがなくなって、随分すっきりしました。

代わりに、あいたスペースには今後のワタシの枷になるようなものが収まる予定です。




こういう昔話をするのは、年寄りの戯言のように思ってたのですが、こうやってワタシも戯言を残すようになる、ということはもうアレです。
ですが、やっぱり残しておかないといかんなあ、と思うことも多々あります。
それぞれの記憶に残る2000年代前半のメッセンジャーカルチャーというのは、やっぱり懐かしさを超えて思うのは、アレはカルチャーとして立派に成立するものであり残すべきものかなあ、と、2020年の今になってようやく思います。
スマホもなく、みんな携帯電話(それすら持ってない人もいたし)と無線を持って、もちろんSNSなんてないから他の動きを無線越しに感知していた時代。
海外からも日本からもホイホイとメッセンジャーが京都に集合していた時代。

誰にいうでもないし、誰に聞いて欲しいでもないのですが、もう外で使うことのないメッセンジャーバッグにもストーリーはあるのですよ、という話です。

by cosset-cosset | 2020-11-12 05:38 | 日々のこと