やりがい。
2018年 07月 27日
今年はいつになく修理が多い、ような気がします。
と言っても作ってる数が一般的なバッグブランドより圧倒的に少ないので、自分の手の届く範囲で仕事ができるのはありがたいこと。
長く使いたいと言って買っていただき、長く使いたいと思ってもらって修理にくる。そして(正直なところ一から作る方が気持ち的にはラクだけれど)再び綺麗に戻って持ち主のところへ戻って行く。
パッと見きれいなメッセンジャーバッグ。
アウターをコーデュラで作ってあるので生地の痛みも少ないのですが、
どうしても底角のある四角いバッグ。背面に自分との摩擦で角から痛み始めます。
最初からオプションとして”補強”をつけることをオーダーの際にお勧めしますが、見た目のシンプルさを優先してSサイズだとつけない方が半々くらい。Mサイズをオーダーされるお客さんはほとんど補強をつけるので不思議ではあります。背負ったときにしっかりした角のイメージがあるのは”補強なし”。見た目もスッキリしますが、トンガリ部分に摩擦が起きて破れやすいのがウィークポイントです。
もちろん”補強”を最初からつけていても補強部分がやはり摩擦によって痛んできて交換したいという方もいらっしゃいます。インナーまで貫通するほどの穴があくことはコーデュラではあんまりないかもしれませんが、”痛み”は気になり始めた時が修理に出すタイミングかもしれません。
一旦お預かりしてショルダーベルトもトリムもインナーも外して平面に戻し、角に補強をつけます。
外した各パーツは新しいものに交換です。
なので、アウター以外は新品に。
底に補強が。
バラバラにしたので、気分でインナー、トリム、糸色はそれまでと違う色を選んでももちろんOK。ベルト交換もするので、そうするとまるで新しいバッグを買ったかのような気分になります(あくまで気分だけで、アウターについたお客さんの”におい”がやっぱりお客さんらしさを出します)
お値段は、バッグの大きさとオプションや最初のカスタムの状態にもよりますが、バッグの半分くらいの値段に収まります。
どん!と大盤振る舞いで”修理は無料!”と言いたいのですが、手間だけで考えるとバラバラにする時間が恐ろしくかかるので無料どころか、ゴニャゴニャゴニャと口ごもりたくなるのですが、でも、モノを買い換えることもなく買い足すこともなくまた同じ自分フィットのバッグを使いたい気持ちは大賛成です。
最近いろんなブランドの”モデルチェンジ”やシーズンごとに変わってしまうアイテムに、モノが良くなるのはいいけれど、そして買い替えによってブランドが潤うのもわかるけれど、なんか違う、そういうことじゃないんだ、と思う自分にとって”修理して使ってもらえるバッグ作り”はコゼバッグの存在意義のひとつかもしれない、と思うわけです。
なので、修理依頼、お待ちしています。
by cosset-cosset
| 2018-07-27 04:56