人間、隙間があれば埋めたくなるもの。
自転車には、そんなに”隙間”はないけれど、フレームの三角を埋めたくなる気持ちは、わかります。
なかなかな、無理な感じでオーダーいただいたのは、これからの時代の主流になると思う(特にワタシくらいの年代からはかなり期待をしてもいいと思う)e-BIKE。

通常の自転車ではありえないくらいのボリュームの、ダウンチューブ。
かつ、コゼバッグが苦手とするスローピングとこのトップチューブのぐんにゃりしたトップチューブ。
十分、リアキャリアにたくさんモノが積めるじゃないか!と思うけれど、頻繁に出し入れしたいモノが、パニアではなかなか思うようにいかない、ということで作らせてもらいました。

通常、フレームバッグはフレームにマジックテープのループを巻き付けて装着します。
今回も、そうしたかったけれどできない理由はいくつかあって、極太のダウンチューブにe-BIKEの要と言える取り外すバッテリーがある、ということ。
バッテリーを避けて、まあ、トップとシートチューブでループを巻けばまあ大丈夫じゃない?と思いきや、このフレームバッグに入れる一番重要なものは、

多分2kgぐらいはあるんじゃないかという自転車の鍵。
ワタシの感じでは、こんな目立つe-BIKEは誰も盗まんやろうと思うのですが、愛車に鍵をかけるのは大事なことです。
こいつが重たい、かつ、フレームの三角がえらい角度でシート側へ向かってるので、トップとシートだけで止めると、絶対にフレームバッグがシート側へ引っ張られます。
そこで二人で考えたのは、

チューブが極太であることをいいことに、そこに両面テープでマジックテープを貼り、

バッグのフレーム側にもマジックテープを貼り、

ピッタリと内側から貼り付ける、ということ。
まず、フレームバッグを頻繁に取り外しするという方にはおすすめできませんし、何より、50mm幅のフレームバッグを取り付けられる自転車というのも、そんなにあるものでは、ありません(見た目を気にしないという方にはおすすめですが、、、)。

使用する両面テープは、マジックテープを貼り付けるからと言って縫製用を使うのはあんまり良くありません。
自転車は、外で使うもの、
屋外用の、なるべくちゃんとしたメーカーのものをケチらず選び使うことをおすすめします。なぜなら、そんなに頻繁に取り外しするものじゃないから、最初からきっちりしたものを使っておけば劣化による交換時期を遅らせることができるはずです。

コゼバッグのマジックテープは正式には”面ファスナー”と言います。YKKのを使っています。オスメス相性が良く見た目もいい感じのを使っていますし、なかなか強固に接着してくれます。それがいい時と悪い時があるのですが、いい時といい場面を引き出してやるのも、作り手の手の内かもな、と今回は思った次第。
お客さんと二人でやーやーと取り付けていて思ったのは、あまりにもフレーム側のマジックテープがしっかりしてるので、フレームに巻き付けて使う用のループはいらないんじゃないかな?って。あのループを無くして、内側に貼り付けるだけの極々シンプルな、”どうやって引っ付いてるの?”みたいなフレームバッグもありかもしれません。(もしDIYで作ってみる方は、ダボ穴を使うことをお勧めします。バッグに小穴を開けてねじ止めすれば面からは何もなくても内側ではネジでしっかり止まってる、というワケです)