人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Cosset-Bags


by cosset-cosset
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

製品として。

この間、同じお客さんからの通算5個目のバッグを作り終えました。
最初は2010年。
一個作らせてもらって、使ってもらって、こうしたいああしたいをのっけたオーダーをまたいただいて、途中お母さん用にスペシャルなバッグも注文してもらって、そろそろ前のが痛んできたからオーダーしようかと思ったらコゼバッグ産休で、、、


初めて注文をいただくとき、おそらく、注文する側も不安があると思うし、もちろん、作る側もスカタンしないよう必死です。注文のやりとりの最中はもちろんのこと、実際裁断縫製そして発送してお客さんの手元に届くまでドキドキです。お送りすると気に入ってくれたか不安です。
自信を持って作ってるけれど、不安がつきまとう精神衛生のよくないこの仕事。
どうしても、オーダーといいつつもセミオーダー的な部分が多く、答えがないからかもしれません。
でも、お客さんとの付き合いが長くなると答えをズバッと最初に提示してくれて、”ここをこうしておいて”とか、”前と同じで”とか言ってもらえる。そうすると、目的がはっきりして作りやすい。コゼバッグからの押し付けがましいあっさり仕様よりも使うお客さんの使い勝手がギュッと詰まってる方が作りやすく、達成感もあります。

そんな通算4個目。
製品として。_e0149587_09113080.jpg
そして通算5個目。
製品として。_e0149587_09113991.jpg
前とほとんど同じでと言われても、前のオーダー用紙見るよりやっぱり現物あったほうが作りやすいので、”ボロボロで恥ずかしい”というお客さんに無理を言って年末に貸していただき、それを見つつ、作りました。前に作った時は作りながらお客さんのこだわりに混迷を極め、数日間ファックスでつたないイラストを交えた細かなやりとりをしたので、非常に印象的なバッグとなったのですが、今回はあっさり作り上げることができたとはいえ、お送りする前はお客さんの手でくたくたに使い込まれた前作とまだ未使用出来立てほやほやのバッグがあり、非常に感慨深いものがありました。

2012年に作った際、お手紙をいただきました。
ワタシ自身がコゼバッグは製品をつくってるのか作品をつくってるのかを悩んでいた時期にパッと明確な答えを書いてきてくださいました。
それから、ワタシはバッグを作るとき、”まずは道具としてのバッグ”が根底にあるとはっきり言えるようになりました。
道具としてしっかり使えなければせっかくお客さんの色を添えても使いもんにならんので、やっぱり抑えるところはしっかり抑え、作品よりも製品であるよう心がけようと思い、毎日ミシンに向かっています。



リピートしてくれるお客さんも、使って痛んだバッグを修理に出してくれるお客さんも、使ってる写真を送ってくださるお客さんも、静かに気に入ってくださってるお客さんも、すごくありがたいのです。
ええ、お客さまはかみさまです。


by cosset-cosset | 2015-01-27 09:36